賃貸物件の壁紙を張り替えるのはNG?壁の模様替え方法とアイデア

2020年2月28日更新

賃貸物件の壁紙を張り替えるのはNG?壁の模様替え方法とアイデア

家賃、間取り、買い物や通勤・通学の便利さ…。物件を選ぶ条件のうち何を大切にするかは人それぞれ違いますが、その中で「部屋の雰囲気」を気にする方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
部屋の雰囲気は日当たりや照明器具によっても変わりますが、「壁紙の色やデザイン」も印象を決める大きなポイントの一つです。

そこで今回は、「賃貸物件でも壁紙を張り替えたい」「壁面をおしゃれにしたい」という方のために、賃貸物件の壁紙を張り替えて良いのか、また張り替えることができるとしたらどのような手順で進めるべきかなどを紹介します。

記事の目次

  1. 壁紙を張り替えたい!でも、そもそも賃貸でできるの?
  2. 壁を傷つけなければ張り替えOKなケースも
  3. 壁を傷つけずにイメージを変える!グッズを使った壁紙アレンジ術
  4. 壁の印象を変えてみるのは?機能性を持たせた模様替え
  5. まとめ

壁紙を張り替えたい!でも、そもそも賃貸でできるの?

そもそも、賃貸の物件において壁紙の張り替えはできるのでしょうか?

基本的にはNG!契約書の禁止事項などを確認してみよう

壁紙の張り替えが可能かどうか考える際にはまず、貸主と契約したときに交わした「賃貸借契約書」を確認してみましょう。多くの賃貸借契約では「建物の模様替え(壁紙・床の張り替えなど)をするときは、貸主の承諾を得なければならない」と取り決めています。
このような取り決めがあり、貸主からNGが出た場合は部屋の内装を自由に変えることはできません。

貸主(大家さん)・管理会社に相談しておくと安心

壁紙を張り替えたいと思った時、一番良いのはまず貸主や管理会社に張り替えていいか聞き、相談してみることです。

  • 現在の壁紙をどのくらいの面積で剥がすか
  • 新しく張る壁紙はどんなものか
  • 張り替え作業の時に出るゴミはどうするか

などを、貸主に細かく伝えて判断してもらう必要があります。
また、貸主に確認する際には、元の壁紙に戻す必要があるのかも確認しておきましょう。その際、話し合いの結果を詳しくメモし、貸主との間で書面に残しておくと、部屋を退去するときにトラブルへ発展しにくくなります。

原状回復費を払えばOKな場合も

先ほど説明した通り、一般的に賃貸借契約書には内装の変更を禁止する項目があるため、無断で壁紙を張り替えることはできません。
禁止されていることを行うと契約違反となってしまいます。最悪の場合はそれを理由に契約を解除されるリスクもありますし、契約解除まで至らなかったとしても退去時に原状回復として元の状態に戻さなければならず、多額の費用を負担することになるかもしれません。

一方で、「退去時に自費で原状回復してくれれば張り替えてもよい」という条件付きの許可がもらえることもあります。こうした場合もあるため、壁紙の張り替えについてどのように考えているかを貸主に確認し、お互いに納得したうえで行うようにしましょう。

壁を傷つけなければ張り替えOKなケースも

もしも貸主が壁紙の張り替えを承諾しない場合、壁のカスタマイズはあきらめるしかないのでしょうか?
実は、壁紙を張り替えること以外にも、物件の壁の雰囲気を変える方法は存在します。
例えば、「もともとの壁紙を剥がさず上から壁紙を張る方法」があります。張った壁紙をキレイにはがせるようにしておけば原状回復も簡単です。また、新しい壁紙を張らなくても、タペストリーを飾ったりすることで、お部屋の雰囲気を変えることもできます。

壁を傷つけずにイメージを変える!グッズを使った壁紙アレンジ術

ここからは、入居時の壁紙を傷つけずにイメージを変える方法や留意点をご紹介します。
工夫しながら上手にお部屋の雰囲気を自分の好みに変えていきましょう。

剥がせる壁紙や両面テープを使う

もとの壁紙の上から新しい壁紙を張る際には、剥がせる壁紙(壁紙ステッカー)や両面テープを使う方法があります。
剥がせる壁紙(壁紙ステッカー)は裏側がシールになっているシートで、ホームセンターや通販サイトで購入することができます。単色のものや木目調のもの、ストーンウォール調で立体的に見えるものなどさまざまな商品があるため、インテリアテイストに合わせて選ぶことが可能です。
中にはDIYやデザインの方法を紹介した冊子とセットで販売されている商品もあります。裏紙をはがして張るだけなので、DIY初心者でもチャレンジしやすいのも魅力です。はがし液で簡単にはがすことができるので、原状回復においても心配はありません。

もう一つ、剥がせるのりや両面テープを使って壁紙を張り付ける方法もあります。壁にのりを塗るためのローラーがセットになった商品などもあり、壁紙のバリエーションも豊富に揃っています。ただし、もとの壁紙の材質によっては、傷をつけてしまったり、のりがはがしづらかったりする可能性もありますので、注意が必要です。

マスキングテープを使う

壁紙にワンポイントだけアクセントをつけたい方や、壁の汚れやへこみなどを簡単に隠したいような場合は、「インテリアマスキングテープ」などの商品を使って壁を彩る方法もあります。
マスキングテープというと文房具用の小さなものが一般的ですが、インテリア用のマスキングテープは幅が10cmほどあるので壁や棚のデコレーションに使いやすくなっています。もともとの壁紙を痛めるほどの粘着度ではないこともあり、安心して使うことができます。

ホチキスで留める

壁紙の留め方には、他にも「ホチキスを使って留める」というアイデアが挙げられます。ホチキスであれば既に家にあるという場合が多く、新たに購入してもそこまでの出費になりません。また、のりを使わないため周囲や手が汚れずに済むというメリットもあります。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボートの張替えは不要な程度のもの)」は通常の生活において行われる範疇のものであり、修復は借主ではなく貸主側の負担になると定められています。そのため、更に穴が小さく下地ボードにも届かないようなホチキスの穴であれば、同様の扱いとなる可能性が高いです。ただし契約書に特約として画鋲やピンの使用を禁ずる内容が定められている場合は借主側の負担になりますので、事前に確認するようにしましょう。

このように、壁紙を張り替える以外にもアイデア次第でお部屋の見た目を変えることが可能です。費用や施工の難易度、張るための道具やもともとの壁紙の材質などを考慮しながら、理想のお部屋に近付けていきましょう。

壁の印象を変えてみるのは?機能性を持たせた模様替え

ここまで、賃貸の壁紙を変更する方法と注意点をご紹介してきました。次は、壁紙以外にもお部屋の雰囲気を変え、機能性も持たせた模様替えのアイデアをご紹介します。
「壁紙の変更は難しそう」というお部屋でも試せる方法を集めましたので、ぜひ参考にしてください。

ディアウォールや有孔ボードなど壁を活用する収納

ディアウォールとは、壁や天井に穴を開けることなく柱を作ることができるDIYアイテムです。カラーリングもホワイトやブラックに加えてライトブラウン、ダークブラウンなどバリエーションが豊富なため、お部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
ディアウォールの長所は、その汎用性の高さ。好きな色や風合いの木材を組み合わせることで、高さも見た目も自分好みの、おしゃれな飾り棚を作ることができます。ディアウォールで作った棚に小物を置いたり、箱や瓶を並べて収納棚にすることで、見た目も機能面も理想のお部屋に近付けることができます。

また、小さな穴の開いた有孔ボードも、賃貸の模様替えにはうってつけのアイテムです。既に穴が開いているため、壁そのものに穴を開けることなく飾り棚を作ったりS字フックを利用してアクセサリーを引っかけたり、見せる収納としておしゃれに飾ることができます。こちらもカラーリングのバリエーションが幅広いのに加えて、塗装したり絵を描くこともできるため、自由度の高いインテリアDIYが楽しめます。

<参考>
ディアウォール-DIAWALL公式サイト

壁面本棚などの大型の収納・家具

おしゃれなインテリアを見ていく中で、「壁いっぱいに本が並ぶお部屋」に憧れたことがある方も多いのではないでしょうか。お気に入りの本を並べて自分だけのくつろぎスペースを演出するもよし、背表紙の色をあわせてカラフルに飾るもよし、グリーンやオブジェ、写真などを置くもよし。壁面本棚や壁面収納を取り入れることで、お部屋の雰囲気はがらっと変わります。
部屋の寸法や家具の運び込み、部屋が家具や本棚の分狭くなることで生活に支障を来さないか…など確認すべき点はありますが、そこをクリアすれば、憧れのお部屋ももうすぐです。

突っ張り棒で作るレール

壁に突っ張り棒をしてレールを作ることでも、お部屋の雰囲気を変えられます。突っ張り棒にライトを取り付ければおしゃれなライティングレールになりますし、写真や絵をかければ、自分のお気に入りを集めたギャラリーのような空間を演出することもできます。また、生活スペースとベッドの間を仕切るパーテーション代わりとなったり、来客にはあまり見せたくないものを隠すことができるなど、機能的な役割も果たしてくれます。
この方法は壁紙にのりやテープが触れることがないので、もとの壁紙を傷める心配がありません。突っ張り棒は安価で手に入るアイテムですし、設置も比較的簡単です。落下防止グッズと併せて使うと、よりしっかりと壁に固定することができます。

まとめ

仕事や勉強で疲れた日でも、リラックスできるお部屋があればゆったりと疲れを癒せるはず。賃貸借契約の内容や貸主への確認など最初に注意すべきポイントはありますが、そこを押さえておけば賃貸物件でも自分好みのカスタマイズが可能になります。

最近の賃貸物件の中にはDIY可の物件もあります。
こうした物件では、家具の制作や補修、壁紙の変更などが自分の判断でできます。また、それによって生じた改修カ所については原状回復費の対象にならない場合が多いため、安心して自分好みの物件に変えることができます。
お部屋の内装にこだわりたい!という方は、DIY型賃貸にお引越ししてみるのもいいかもしれませんね。