トラブル&損なし!賃貸物件の退去におすすめの時期と理由

時期

2020年2月28日更新

転勤や就職、結婚など、ライフステージの変化に引越しはつきもの。でも退去となると、引越しの準備や部屋の掃除、住所変更の手続きなど、しなければならないことがたくさんあります。こうした慌ただしさがある中で、どの時期を狙って退去するのが最もトラブルと損がないのでしょうか?

ここでは、賃貸物件から気持ちよく退去するために参考になる情報をご紹介します。

記事の目次

  1. 賃貸物件から気持ちよく退去するために押さえたいポイントは?
  2. 物件から退去する時の流れを確認する
  3. 退去におすすめの時期はある?
  4. 退去時に必要な「原状回復義務」ってなに?
  5. 新しい住まいと元の住まいで家賃が重複?支払いの重複を避けることはできる?
  6. まとめ

賃貸物件から気持ちよく退去するために押さえたいポイントは?

まず、賃貸物件から気持ちよく退去するために押さえておきたいポイントを整理してみましょう。大きく分けて3つのポイントが挙げられます。

  • 退去の方法や退去するときの流れを確認する
  • 新しい住まいの探し方を確認する
  • 退去時のトラブルを避けるために「原状回復」について理解する

いずれも円満に退去するために重要な情報です。
ここからは、はじめて退去を経験するという方にもわかりやすいよう、これらのポイントについて詳しく解説していきます。

物件から退去する時の流れを確認する

Step1.退去の連絡

賃貸物件の契約は2年更新が一般的ですので、契約の更新時期に合わせて引越しをお考えの方もいらっしゃるでしょう。退去が決まれば、まず管理会社や貸主にその旨を連絡する必要があります。

退去時の連絡先や方法については「賃貸借契約書」で確認できますので、あらかじめ確認しておきましょう。また、定められた退居予告の期限を過ぎて退去を申し出た場合には違約金が発生します。1年未満など短期での退去にも注意が必要です。いつまでに退去の予告をする必要があるか、契約書の記載にはしっかり目を通しておきましょう。

なお、退去の手続きに関しては契約満了時でも契約期間中でも同じです。

Step2.退去届の記載と返送

退去する場合は、管理会社や貸主に書面で解約を申し出るのが一般的です。「退去届(解約届)」に必要事項を記入し、送付してください。

退去届(解約届)は入居時に受け取っている場合が多いと思いますが、見つからない場合は早めに取り寄せるなどして対応しましょう。

Step3.電気・ガス・水道会社・インターネットプロバイダ等に連絡

引越し先が決まり、引越しの日程も確定したら、電気・ガス・水道会社、インターネットのプロバイダ等、ライフラインに関わる各業者にサービスの停止希望日を連絡します。連絡は電話あるいはオンラインによる手続きによっても申し込むことができます。

また、停止当日の連絡でも対応可能な場合と、数日前に連絡しなければならない場合があります。いつまでにどのような方法で停止を申し出ればいいかそれぞれ確認しておきましょう。

Step4.引越し

引越し日が決まったら、それまでに住所や連絡先の変更届を済ませておきます。また部屋の状況を確認するために管理会社や貸主が立ち会いますので、その時までに室内の物をすべて撤去しておきましょう。

Step5.退去の立ち合い

退去時の立ち合いでは、主に原状回復範囲について確認します。立会時間は30分程度が通常ですが、確認に時間がかかることも想定してスケジュールを組みましょう。

Step6.鍵の返却

鍵を返却した時点で、契約は解除となります。
入居時に受け取った合鍵や自分で作った合鍵も忘れずに返却します。

Step7.敷金の精算・返還

入居時に支払っていた敷金を精算し、余っていれば返還されます。
敷金の精算で余った分は、退去届に記入した預金口座に振り込まれます。状況によっては別途、原状回復のための費用がかかることもあります。

退去におすすめの時期はある?

解約月の家賃については、契約によって取り扱い方法に違いがあり、日割りの場合と月割りの場合とで退去におすすめの時期が異なります。

日割りの場合なら退去日までの家賃を支払うことになるので、いつ退去しても問題ありません。しかし月割りの場合は、月初ではなく月末に退去すると、家賃の無駄が少なくなります。

解約月の賃料をどのように清算するかは賃貸借契約書に詳細が記載されています。しっかり確認しておきましょう。

退去時に必要な「原状回復義務」ってなに?

入居や退去について解説する際によく話題に上がる「原状回復」。お部屋のDIYの際に目にしたことがある方も多いかもしれません。

賃貸物件において、原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」を指します。

つまり、借主が故意または注意を怠ったために建物を傷つけたり汚してしまったりしたときは、修繕費用を負担する義務があります。一方、経年変化や普通に住んでいることによる損耗等の修繕費用は、原則として借主の負担になりません。

ただし、契約書類に「特約事項」として定める内容がある場合はそちらの内容に沿う必要が出てきます。そうした特約がある場合は契約時に説明されるのが一般的ですが、忘れてしまっている場合も多いので、改めて確認しておきましょう。

退去時のトラブルを避けるためにはどうすればいい?

退去時には、原状回復義務がある傷みなどに修繕費用を負担する必要がありますので、該当する傷や汚れを把握しておく必要があります。そのため、入居時と退去時の違いを明確にしておき、もともとあった傷や汚れなのか、入居後に発生したものなのかを把握しておかなければなりません。入居時にスマートフォンやデジタルカメラなどで傷や汚れを日付入りで撮影しておくと良いでしょう。

また、掃除や管理を怠ったためについてしまった汚れや起きてしまった故障は借主の負担になります。退去時にお互い気持ちよく退去するためにも、エアコンやトイレ、お風呂、給湯器などは定期的にチェックするようにしましょう。

なお、国土交通省は原状回復に関するトラブルを防ぐために「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発表しています。気になる点がある場合は、そちらも確認しておくとよいでしょう。

参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

新しい住まいと元の住まいで家賃が重複?支払いの重複を避けることはできる?

ここまで退去方法やおすすめの時期について解説してきましたが、気を付けるべきは、「家賃の支払いが重複する期間が生まれること」です。引越しに関わる出費はなるべく安く抑えたいところですが、基本的には新しい住まいが決まってから退去の手続きをしますので、新旧両方の家賃を支払う期間が発生します。

そんな中、賃貸物件によっては「フリーレント」として1~2週間、長い場合は1ヶ月の賃料を無料としている場合があります。こうした物件を選ぶと家賃の重複が避けられるので、ぜひチェックしてみましょう。現在はフリーレントでない物件でも、交渉次第ではフリーレントにしてもらえる場合もあります。

まとめ

これまで退去をした経験がある方でも、退去の方法や流れをしっかり把握できているという方は少ないかもしれません。初めて退去を経験される方は、何もかもが初めてで迷ったり不安になったりすることが多いかと思います。

この記事を参考に、少しでも退去から次の引越しまでの負担を軽減していきましょう。